ループバスは35日で4,798人・目標の約86% ── 今年は2ルートで目標2万人、海浜エリアの回遊と自動運転化を問う
- •若林区・宮城野区の海浜エリアのにぎわいづくりについて、ポータルサイトの閲覧数、深沼海水浴場、ループバスの利用実績を確かめ、将来のループバス自動運転化を提案しました。若林区長は、自動運転は技術面やコストに課題があるとしつつ、関係部局と連携して検討すると答えました。
竹中の質問
現場である若林区・宮城野区に海浜エリア活性化担当が置かれたことに期待を示し、決算年度の主な事業の概要と決算額を尋ねました。
ポータルサイト「せんだい海浜エリアナビ ぐるっと、海手」のアクセス数を確認した上で、約19万1,000PVはもう少し伸びてほしいと述べました。自分からアクセスしないと情報が取れないプル型のホームページよりも、LINEのようなプッシュ型のほうが周知力が高く、リピーターを増やす力もあるとして、LINEのようなものを立ち上げてホームページとリンクさせ、スタンプラリー参加者などをリピーターに引き込む仕組みを求めました。インスタグラムが開設されていることについては、ホームページにその記載が無いことを指摘し、記入するよう求めました。
集団移転跡地利活用事業者が全てそろった一方、集客力が期待された大型スポーツ施設が撤退したことで、にぎわいづくりの計画が当初の予定から大分変わってきているのではないかとして、海浜エリア活性化への影響をどう認識しているかを尋ねました。また、藤塚地区には温泉施設があり、隣接して名取市のかわまちテラスがあり、今後はPark-PFIも予定されているなど、地域によってにぎわいの差が出てきていると述べ、地域別の訪問者数と近年の推移を示すこと、データ化して集約することを求めました。
決算年度に深沼海水浴場で開催した親水イベントと、本年度の海開きの成果を尋ねました。35日間で1万4,000人が集まったことから夏の海開きの力は非常に強いとしつつ、夏だけでなく季節を問わずにぎわいをつくる必要があるとして、ライブイベントの開催などを提案しました。
文化観光局が決算年度に運行した「せんだい海手線ループバス」について、概要と、目標5,600人に対する利用者数・達成率を尋ねました。さらに、本年度に北と南の2系統に拡大した狙いと乗車目標、これまでの成果を確認しました。
その上で、にぎわいづくりには回遊性が非常に大事であり、将来的にはこのループバスこそ自動運転化させるべきだと主張しました。自身が視察した岐阜県では、既に5年計画で自動運転バスが町なかを走っていたことを紹介し、実現させていく段階に入っていると述べました。海浜エリア活性化はビジョンに基づき、まちづくり政策局・文化観光局・市民局が一体となって推し進める必要があり、海浜エリア活性化企画室を擁する若林区が先頭に立つことが重要だとして、ループバスの自動運転化への所見を含め、若林区長の意気込みを求めました。
市の答弁
海浜エリア活性化企画室長
決算年度に宮城野区・若林区で所管する海浜エリア活性化事業の決算総額は2593万1000円。主な内訳は、海浜エリア活性化ビジョン策定経費141万円余、回遊性向上のための電動キックボード実証事業801万円余、ポータルサイトの作成運営などエリアプロモーション経費614万円余、貞山運河の水中地形測量調査242万円余、全国都市緑化仙台フェア関連イベント経費569万円余、来訪環境整備や既存施設の維持管理経費223万円余。
ポータルサイトは令和6年2月から運用を開始し、2月から直近までの約7か月間の合計で19万1,343PV。6月24日からループバスのウェブ広告の配信を始めた影響と考えられ、7月・8月のPV数が特に増加している。
SNSでの発信は、令和6年6月にインスタグラムで海浜エリア内の施設情報やイベント情報の配信を始め、ポータルサイトへリンクさせている。今月5日から始めたスタンプラリー「ぐるっと、海手おでかけスタンプラリー」は、システム上、参加者へのプッシュ型の情報発信はできないが、ポータルサイトやインスタグラムでの発信をさらに細かく行うことなどで、参加者が海浜エリアのリピーターとなるよう努める。
集団移転跡地利活用事業は平成29年度に募集が始まり、令和5年度の5次募集で全ての区画の事業者が決定した。この間、新型コロナウイルス感染症などもあり、事業候補者の撤退や施設整備計画の進捗に影響が出るなどの状況はあるが、事業者はそれぞれの強みや復興への思いを生かした事業を実施しており、新たな魅力やさらなるにぎわいが生まれてきていると認識している。
訪問者数を把握しているのは、震災遺構荒浜小学校、海岸公園、せんだい農業園芸センター等の主要な公共施設の令和4年度までの推移で、令和2年度が約63万人、令和3年度が約62万人、令和4年度が約74万人。地域ごとや民間施設等の訪問者は、現在詳細を把握していない。さらなるにぎわいには来訪者の数や属性を踏まえて施策を的確に実施する必要があると認識しており、スタンプラリーでは参加者に居住地や年代などを入力してもらう仕様とした。今後このデータの分析・活用を行うとともに、人流データなどの把握手法も検討する。
決算年度の親水イベント「深沼ビーチパーク2023」は、昨年7月22日から8月6日までの16日間、海辺へのパラソルの設置などを行い、4,771人が来場した。今年度は海水浴場の本格再開を見据え、ニーズの把握や運営上の課題の洗い出しなどを目的に、7月15日から8月18日までの35日間、深沼海水浴場を試験的に再開し、期間中1万4,285人が来場した。海水浴場の再開は、荒浜地区はもとより海浜エリアのにぎわい創出に資する取組と認識している。
秋から冬にかけて来訪者が少なくなる傾向にあり、この時期の誘客が課題となっている。今年度は9月から11月までの3か月間、施設などの周遊促進を目的にスタンプラリーを実施した。来年度以降も、閑散期のイベント開催など、さらなるにぎわいづくりに向けた取組を幅広く検討する。
海浜エリア活性化担当課長
令和5年度のループバス実証運行事業の決算額は、運行委託料1402万円余、プロモーション委託料999万円余の合計2402万円余。35日間の運行期間中の利用者数は4,798人で、目標の5,600人に対して約86%の達成率だった。
今年度は、昨年10月に海浜エリア活性化ビジョンを策定したこともあり、回遊促進や来訪環境整備をさらに強化するため、若林区内を運行する昨年度のルートに加え、仙台港周辺エリアなどを周遊する北ルートを新たに設けた。目標利用者数は北ルート・南ルート合わせて2万人で、9月16日現在の利用者数は速報値で9,938人。
若林区長
海浜エリア活性化には回遊性の向上が重要との認識の下、電動レンタサイクルやキックボード、エリアの南北を走るループバスの実証実験を行ってきた。
バスの自動運転については技術面やコストでの課題はあるが、本市でも今年度、青葉山エリアで実証実験を実施するなど実現を目指して取り組んでおり、関係部局と連携して検討していきたい。
海浜エリアでは様々な部局が事業を展開しているほか、集団移転跡地利活用事業者をはじめ様々な主体が活躍している。若林区としては、これらの取組が相互に連携しながら相乗的に効果を高めていけるよう努めるとともに、これまで住んでいた方々や新たに事業を営むこととなった方々にとって、かけがえのないふるさとだと感じてもらえるようなにぎわいをつくるという視点も大事にしながら、海浜エリアの活性化に取り組んでいく。
この記事は、仙台市議会の議事録をもとに要点をまとめたものです。実際の発言全文は議会ウォッチでご確認ください。
一次情報:2024-09-19 令和5年度 決算等審査特別委員会(第2分科会)
議会ウォッチで全文を読む →