- •◯七番(竹中栄雄)公明党仙台市議団の竹中栄雄です。議長のお許しをいただきましたので、一問一答方式で一般質問をさせていただきます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)公明党仙台市議団の竹中栄雄です。議長のお許しをいただきましたので、一問一答方式で一般質問をさせていただきます。
宮城県沖地震から、六月十二日で四十四年となりました。仙台市はこの日を市民防災の日と定めて、先日も防災訓練が行われました。東日本大震災からは十一年三か月、防災の教訓を未来につないでいくのが今を生きる私たちの使命であると感じております。
五月十日に、県は、宮城県津波浸水想定の公表を行いました。東日本大震災から十一年二か月というタイミングでの発表となりました。御当局は今回の想定をどのようにお受け止めになられたでしょうか、まずお伺いをいたします。
国の津波浸水想定の設定の手引きを見ると、以下のようにあります。東日本大震災のような大規模な災害を想定し、何としても人命を守るという考え方により、ハード、ソフトの施策を総動員して減災を目指す。災害には上限がないことを教訓とし、日常の対策を持続させることを基本姿勢とするとあります。
何としても人命を守る、災害には上限がない、ハード、ソフト施策を総動員、強い言葉が並びます。これを受けて、改めて市長の防災・減災の考え方、御決意について伺います。
東日本大震災は想定外の連続でした。であるならば、想定外を少しでもなくす、このような思いで、後ほど細かく一問一答方式で質問をさせていただきます。
一方、被災者の多くが住まれている復興公営住宅、今の市営住宅については、津波で家を失った方々を中心として、一生涯安心して生活ができる居住地を提供できるものと期待されているところであります。
ところが、安心と言い切れない現状もあります。先日、六月六日、少し雨の強い日に、卸町市営住宅のエレベーターが故障して停止をしました。住民によると、雨水がエレベーター内に浸入し電気機器が故障、ウクライナ情勢で半導体も手に入りにくい状況で復旧未定、うわさでは六月いっぱい、もしくは復旧まで数か月とも言われたのであります。九階建てで、高層階に住む御高齢者や足の不自由な方にとっては、どんなに不安が募ったことでありましょうか。
今、一旦は応急処置によって復旧している模様ですが、どうしてこのようなことになったのか、詳細な説明を求めるとともに、雨が降るたびにこうなってしまうのか、今後どのような対策をするつもりなのか伺います。
また、現地調査に伺った際、改めて住民に伺ったところによると、卸町市営住宅のトイレについて、封水がなくなってしまう家庭が三十七軒もあるというのであります。封水というのは封じる水と書くのですが、水洗トイレを流したときに少し残る水のことであります。これは、下水管から遡ってくる臭いや、時には害虫を防ぐために絶対に必要な水です。これが切れてしまうと、硫化水素なのか、部屋中に臭いが立ち込めてしまいます。ある御家庭では、悪臭で奥様の体調が悪くなり、トイレに毎晩ラップをして寝ているというのであります。御当局はこのような事態を把握されておりますでしょうか。建設後まだ数年で、問題が多過ぎるかと思います。住宅全体について原因の調査を求めるとともに、対応策を早急に検討するよう強く求めるものですが、御所見を伺います。
次に、私も委員会等で詳しく質問してまいりましたが、ある市営住宅では、エレベーター内に汚物がまかれたり、自治会役員の車、自転車がパンクさせられる事件が複数回発生、上層階から車に物を投げつけられる事件多数で、その種類はカップラーメン、みそ汁、トイレットペーパー、赤い液体、パチンコ玉など、そのほか集合ポストの中にたばこの吸い殻を入れ込まれることもありました。何度も警察を呼んでいるが、犯人の決め手がない。そんな中、本年三月には、掲示板にはさみがくくりつけられ、その数が十本ぐらいまで増えていくという事件が発生しております。
問題解決に必要なことは、私をはじめとして我が会派の佐藤幸雄議員、佐々木真由美議員、鈴木広康団長がずっと求めてきた防犯カメラ等の設置であります。防犯カメラを本市自らが各市営住宅に設置して運営管理をしていくべきだと思いますが、御所見を伺います。
以上一括質問とし、これ以降は、津波浸水想定の細かい点について、一問一答方式で行わせていただきます。
◯市長(郡和子)
◯市長(郡和子)ただいまの竹中栄雄議員の御質問にお答えを申し上げます。
緊急提言の趣旨を踏まえた私の防災・減災の考え方と決意についてのお尋ねにお答えをいたします。
東日本大震災で甚大な被害を受けた本市は、その経験と教訓を生かして、災害は必ず再び起こるという考えの下、この間、津波避難施設などをはじめとするハード整備や、また、地域の防災力の向上といったソフト対策に取り組んでまいりました。
緊急提言津波防災まちづくりの考え方は、東日本大震災を踏まえて示されたものであり、何としても人命を守るという考え方や、ハード、ソフト施策により減災を目指すという視点、これは本市の防災・減災に対する考え方とも方向性を一にするものでございます。
今回の県の津波浸水想定はもとより、今後も新たに考え方ですとか知見が示された場合、本市の防災対策に速やかに反映できるよう、地域防災計画をはじめとする計画の不断の見直しや、また、防災に関する情報の積極的な収集に努め、今後も市民の皆様の安全の確保に万全を期してまいる決意でございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)私からは、今回の津波浸水想定に対する受け止めについてお答えいたします。
この津波浸水想定は、最大クラスの津波が悪条件下で起きた場合の避難の範囲を定めることを目的とするもので、地域住民の皆様には、単なる想定ではなく、あり得ることと捉えていただき、いざというときには適切な避難行動につなげていただくことが重要と受け止めております。
本市といたしましては、対象となる地域の皆様に対しまして、今回の想定の趣旨を御理解いただくため、丁寧な説明を行いますとともに、必要な施策を着実に進め、本市の津波に対する防災力をさらに高めてまいります。
以上でございます。
◯都市整備局長(八木裕一)
◯都市整備局長(八木裕一)私からは、市営住宅に関する三点の御質問にお答えをいたします。
初めに、卸町市営住宅におけるエレベーターの故障についてでございます。
この原因といたしましては、本年三月十六日の福島県沖地震により生じた当該住宅の外壁の亀裂から、六月六日の大雨により雨水が浸入し、エレベーター制御盤が故障し、停止したものでございます。
六月十一日に応急的に復旧いたしましたが、本復旧に向け部品調達を進めますとともに、外壁修繕が完了するまでの間は、制御盤に雨水が当たらないよう、応急措置を施しているところでございます。また、外壁修繕工事につきましては、早期に着手し、今月中をめどに完了する予定としてございます。
次に、卸町市営住宅のトイレについてでございます。
当該住宅において、御指摘いただきましたように、一部の住民の方からトイレの異臭について御相談をいただいているところでございます。
現在、原因について建物全体の調査を行っているところでございますが、トイレにつながる排水管に何らかの不具合が想定されますことから、小型カメラによる排水管内部の調査を行い、原因を特定した上で、排水管の高圧洗浄など、不具合解消に向けた必要な対応を早急に行ってまいります。
最後に、市営住宅への防犯カメラ設置についてでございます。
防犯カメラの設置は、未然の犯罪防止につながるほか、入居者の皆様の防犯意識の高まりが期待できるなど、安全・安心な住環境の確保に貢献するものと認識をしております。
こうしたことから、現在、カメラ設置に当たっての条件や管理上の課題などを整理しているところであり、御要望のある町内会や自治会の状況も確認させていただきながら、カメラの設置について検討を進めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)御答弁ありがとうございました。市営住宅について、大きく前進させられる答弁だと受け止めましたので、よろしくお願いいたします。
では、浸水想定について、市長の今の思い、決意を受けまして質問をさせていただきます。
まず、避難の丘について伺います。
避難の丘五か所のうち、三か所が高さ不足と言われております。どちらの丘が高さ不足になるか伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)高さが不足いたします避難の丘は、海岸公園岡田地区、海岸公園荒浜地区及び震災遺構仙台市荒浜小学校南側の避難の丘の三か所でございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)そうなると、現在、東部復興かさ上げ道路より海側で避難できる先はどこになるか、具体的にお願いします。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)七北田川より南側の本市沿岸部で津波避難施設、津波避難場所として引き続き御使用いただけるものは、震災遺構仙台市立荒浜小学校、井土地区の冒険広場の避難の丘、藤塚地区の避難の丘の三か所になります。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)藤塚にあります温泉複合施設と隣の避難の丘は同じ高さだと思われますが、避難先として問題ないと言えるんでしょうか、伺います。
◯都市整備局長(八木裕一)
◯都市整備局長(八木裕一)藤塚地区の複合施設内の避難方法は、屋上へ垂直避難することとされております。屋上階の高さは、新たな津波浸水想定において浸水しないとされている藤塚地区の避難の丘を上回っておりますが、なお詳細を確認してまいりたいと考えております。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)では、今回の浸水想定を受けて、避難の丘をかさ上げすると伺っております。どれぐらい足りないと見込まれていて、どれぐらいかさ上げするつもりなのか伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)高さが不足いたします三か所の避難の丘につきましては、頂上部分において二十センチから五十センチメートル程度の浸水が見込まれておりますが、安全を確保するために必要なかさ上げの高さにつきましては、今後、検討を進めてまいりたいと存じます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)では、一方で高さが足りていると言われている冒険広場、藤塚の避難の丘は、何メートルぐらい水かさが下回る想定なのか伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)県から提供を受けました浸水深の情報からは、冒険広場、藤塚地区の避難の丘のいずれも、二メートルから三メートル程度の余裕があるものと分析しておりますが、詳細はなお確認が必要と考えてございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)現在の避難の丘、形状がなだらかになっています。海岸からの距離を考えると、恐らくあの場所は津波の勢いはかなり強いところです。単純に津波がせり上がってきて避難者を押し流してしまうような形状に見えるところであります。例えば、津波面は船の船首のようになっている強い構造にして、側面からスロープ状に登れるような構造にしたらよかったんではないかと思います。どうしてこのような形状にしたのか、その真意を伺います。
◯建設局長(千葉幸喜)
◯建設局長(千葉幸喜)避難の丘の形状につきましては、東日本大震災後、国や県が作成した技術関連資料などにより、津波による洗掘が起こらないような緩やかな傾斜にすること、また、避難時に周囲から駆け上がれる勾配としていること、このようなことから、なだらかな丘陵状の形状としておるところでございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)同じく荒浜小学校前の避難の丘は、東部かさ上げ道路に隣接をしているのですが、その道路との間が谷になっており、万が一津波が迫ってきて逃げようとすると、その谷に落ちてしまう構造になっております。かさ上げ道路と陸続きにしなかった理由は何だったのか伺います。
一旦は避難の丘に逃げたが、さらに遠くまで逃げようと考えた人が避難しやすいように、今回のかさ上げ再整備で陸続きにすることを求めますが、御所見を伺います。
◯都市整備局長(八木裕一)
◯都市整備局長(八木裕一)減災のための堤防機能を併せ持つかさ上げ道路は、最大クラスの津波が来た際には津波が越えることが想定されていることから、発災時は避難の丘にとどまっていただくことが安全であると考え、かさ上げ道路と避難の丘をつなぐことまではしなかったものでございます。
今後も、こうした考え方に基づき、避難施設として活用できるよう、かさ上げ等の改修について検討してまいります。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)また、避難の丘には、ベンチの下に防災グッズが設置されております。例えば、避難の丘に逃げたはいいが、いよいよ想定外の津波に追われた際、救命ボートのようなもので逃げれるように緊急避難具を設置することが必要ではないかと感じますが、御所見を伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)津波避難施設や避難の丘につきましては、最大クラスの浸水の深さに対しまして、安全な高さに避難する場を設定することにより、安全性が確保されるものと考えておりますことから、現時点で救命ボート等の導入は検討しておらないところでございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)それでは、次に、避難方法の変更について伺います。
まずは現状の避難方法について伺ってまいります。
もし近い将来に海水浴場が再開し、フルーツパーク、温泉施設等のにぎわいづくりの施設が充実した八月の夏休みを想定して伺います。東部かさ上げ道路より海側に滞在する方々が、大津波警報が発令された場合、自動車で訪問している観光客はどのように避難をすることになりますか、伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)かさ上げ道路より海側のエリアにいる方につきましては、大津波警報発表時、徒歩により避難の丘や震災遺構仙台市立荒浜小学校に避難することが原則となります。
浸水が想定される避難の丘を避難先としている事業者につきましては、他の避難先の候補をお示ししており、荒浜小学校など浸水しない避難施設へ来訪者を避難誘導することにつきまして、関係局と調整しているところでございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)津波襲来予定時刻は六十分と言われています。本市は四十五分を想定しています。その間、地震が起きてから、観光客を含めて全員を自動車には乗ることを許さず、徒歩で避難させるといいます。観光客へ事前に周知することも難しいし、集団移転跡地の利活用事業者に車で逃げさせない避難誘導体制を求めることは、想定にちょっと無理があると思うんですが、御所見を伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)沿岸部の来訪者の方々が自動車を利用して一斉に避難した場合、かさ上げ道路より内陸側にお住まいの方々の避難にも影響が生じることから、自動車は原則使用しないこととしているものでございます。
津波避難エリアの全体で全員が逃げ遅れることなく命を守るために必要な考え方だということを、事業者に対しましても正しく理解していただき、来訪者を避難誘導していただくことが肝要と考えてございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)避難渋滞が起こり、それで大切な命が失われたということは、重大なことであります。私のイメージでは、特に石巻市、名取市の閖上付近では、避難渋滞に巻き込まれ、多くの被害が出たことを理解しております。
では、大震災で本市沿岸部、仙台市の沿岸部における避難渋滞での死亡者数についてお伺いをいたします。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)本市の沿岸部におきまして、自動車での避難中に被災された方の統計値は把握していないところでございます。
なお、警察庁の資料によりますと、東日本大震災において自動車の車内から発見された御遺体ということで申し上げれば、宮城県内では、平成二十三年八月時点で五百七十五名、岩手県内は同年七月時点で百二名とのことでございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)今、五百七十五名、これは宮城県全体ということですね。本市の沿岸部は把握していないという状況です。
釜石の奇跡を起こした津波てんでんこという教訓は、非常に大事だと言われております。津波避難は、何の規制もかけずに銘々がともかく遠くへ、ともかく高いところへ避難することが大事だという教訓です。
大震災で大きな犠牲者を生んだ場所の多くは、いずれも制限があって、避難に限界のある地域に逃げた方々が大きな被害に遭っています。当然、私も避難渋滞を避けることは非常に重要であると考えます。であるならば、まず真っ先にやるべきことは、可能な限り渋滞を起こさない努力をすること、すなわち、津波避難道路の増設、拡充に力を入れるべきだと考えます。
本市は、これまで十一年をかけ、津波避難道路三本を拡充してきました。三本の避難道路のうち、一番南の井土長町線は、避難道路として拡充してきましたが、東部道路手前まで拡幅したものの、東部道路と南部道路の間の幅員はまだかなり狭いままとなっています。今回示された浸水想定では、六郷小学校辺りまで浸水が想定されています。ということは、この東部道路から南部道路までのボトルネックは解消しなくてはいけないと考えます。この間の道路の拡幅についての所見、また、避難計画の避難先を東部道路以西としているものを、浸水想定以西と変更すべきだと思いますが、御当局の御所見を伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)津波避難道路につきましては、震災復興計画の中で車の避難に配慮した道路整備を掲げ、平成二十五年三月に津波避難施設の整備に関する基本的考え方を取りまとめる際に、自動車を含む避難シミュレーションにより検証を行いました。
これらの検証結果を踏まえ、現在の避難道路を整備したところでございますが、今般、避難の範囲を拡大することから、同様の検証に関しまして、改めて庁内で協議していく必要があると考えてございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)また、津波避難道路の四本目、五本目、六本目の新設を検討すべきだと考えます。現在の交通量で、特に東部復興かさ上げ道路の閖上寄りの箇所は、非常に渋滞をしております。この閖上大橋から名取川、広瀬川の若林区側の土手には、一応細い道路が通っております。一部通行止め等にもなっておりますが、日辺付近ではバス通りにもなっています。五メートルぐらいの細い幅員でバスが通り、環境局の今泉工場のトラックも行き交っております。私は、この土手の細い道をバスとトラックが行き違うたびに、土手から転がり落ちてしまわないか、不安になって見ております。
この際、一挙に閖上大橋から千代大橋まで津波避難道路として整備し、河川の堤防としても強化することによって、津波も大雨による洪水も防ぐことができるのではないかと思いますが、四本目の津波避難道路新設について御所見を伺います。
◯危機管理局長(木村洋二)
◯危機管理局長(木村洋二)津波避難道路の新設につきましては、整備の必要性や有効性、適切な整備位置等の検討と検証を行いますとともに、事業の実現性の観点も含め、総合的に検討していく必要があるものと考えてございます。
◯七番(竹中栄雄)
◯七番(竹中栄雄)東部復興かさ上げ道路より海側に滞在する方々は、自動車で避難させない。だから避難道路をこれ以上増やさなくてよい。これは間違ったロジックと考えます。
垂直避難は第一優先避難策ではなく、幾つかの避難のオプションの一つでしかありません。ともかく渋滞が起きないよう極限まで整備を行うことを前提に、自動車避難も選択肢から排除せず、最終段階で垂直避難を推奨するというのが筋ではないかと思います。本市が自動車避難を許さないということは、避難の選択肢を奪うことになるのです。あらゆる想定外に対する備えこそが、三・一一の教訓だと思っております。
このような中、地震と津波に備えて、渋滞の発生しない環境を整えて、自動車避難を推奨しようとしている自治体があります。宮城県の山元町です。津波が沿岸から三・六キロの地点まで到達し、町のおよそ四割が浸水をいたしました。平野が続くという意味では、仙台に近い地形となっています。
山元町危機管理室によると、山元町の沿岸部は平たんな土地で、徒歩避難だとどうしても波にのみ込まれてしまう。そこで、町は、渋滞が起きないよう、渋滞を起こす国道との交差点は通らず、国道の下をくぐる二か所の抜け道に分散して避難するルートを提示いたしました。さらに、住民は知り合いの車に分乗し、避難する車の台数を削減しました。これには、要支援者やお年寄りに声をかけ、逃げ遅れを防ぐというメリットもあります。避難を終えたエリアには、黄色いタオルを残します。二〇一五年八月に行われた訓練では、住民のおよそ二割、二千五百人が六百九十台の車や徒歩で避難、想定の津波到達時間より早い三十分ほどで、全員が避難を完了いたしました。
山元町では、沿岸部から高台に向かう新たな十本の避難道路の整備を進めています。この十一年間で、現在九本開通して、残り一本も本年、近く開通を予定しています。当然、山元町内に避難の丘も三つ整備した上で、対応しているわけであります。
こうした自治体の取組について、防災の専門家である東京大学片田敏孝特任教授は、特に水関係の災害は、避難は徒歩が原則としながら、高齢者や要配慮者の方は、現実的には車を利用しないと避難ができない。どのような人が車を優先して使うべきかを、地域の共通認識として、地域住民の合議の上で、皆さんが納得して決めることも大切になると指摘しております。
例えば、藤塚の温泉複合施設と隣の避難の丘の高さは、十五メートルと言われています。その地域の津波の高さの想定は十・三メートルです。しかし、山元町の津波想定は十四・九メートル、同じ海岸線上です。地震の発生場所などによって、高さが数メートル変わるということが絶対ないと言えるのでしょうか。
私は、山元町の震災遺構中浜小学校に震災直後から幾度となく通っております。海岸から四百メートルの学校でした。校長先生は最終的にやむなく屋上倉庫へ垂直避難を決定、九十名全員の命を守りましたが、津波は僅か屋上から一メートル下まで迫りました。私は直接この校長先生にもお話を伺いましたが、もし次、同じ決断を迫られたら、垂直避難は決断しないと話されておりました。温泉複合施設は海岸から四百メートル、似た条件ではないでしょうか。
仙台市は、第三回国連防災世界会議開催都市です。仙台防災枠組の冠都市として、防災環境都市づくりのブランド形成を目指しています。仙台市が掲げる避難方法の中に、市民や観光客の避難に制限をかける項目があり、そして避難させた避難の丘が万が一にも想定よりも数メートル高い津波に襲われ、多くの被害者を出したらどうなるのか。このようなことがあっては絶対にならないと思います。
数百年にわたる基礎を築いているときです。避難方法の再検討について、また、津波避難道路の新設、拡充について、一般市道の拡充を含めてでいいです。本市も十本ぐらいあってもおかしくないと考えます。仙台市長の強いリーダーシップを求め、最後に御所見を伺います。
◯市長(郡和子)
◯市長(郡和子)仙台平野に位置する本市でございます。東日本大震災の教訓を踏まえまして、津波からの避難行動を、津波からの避難の手引きなどを通じまして市民の皆様方にお知らせをするとともに、沿岸地域の事業者の方々にも避難誘導の協力をいただいているところでございます。
今回、県の津波浸水想定の公表を受けまして、広大な避難エリア内の全ての方々がとにかく自分の命を守るという行動が取れるように、改めて避難の計画などの見直しを行っているところでございます。
今、議員がおっしゃられました道路も含めた施設の整備については、その中で、その必要性や財源、将来にもたらす効果など、しっかり見極めを行って判断してまいりたいと存じます。
出典:仙台市議会会議録検索システム(竹中栄雄議員の発言と、それに対する当局側の答弁)