町内会加入率、平成初め90%超から72.5%へ ── 復興公営住宅の自治会解散を教訓に伴走支援の専門部門を提案
- •町内会・子ども会・PTAの後継者不足が深刻化する中、相談窓口の分かりにくさが解散を招いた実例を挙げ、コミュニティー支援の専門部門設置と条例化を市に求めました。
竹中の質問
地域コミュニティー体力強化事業費に関連し、町内会・子ども会・PTAといった地域団体の後継者問題を取り上げました。まず、これらのコミュニティー支援を担当する部署が、町内会などの自治組織は区役所・総合支所と市民局、PTAは教育局、子ども会はこども若者局とそれぞれ分かれていることを確認した上で、代表例として町内会の加入率の推移を尋ねました。
平成の初めには90%を超えていた加入率が、平成28年度に初めて80%を下回って79.6%、令和6年度には72.5%まで低下したとの答弁を受け、このままでは5割を切りかねない状況だと指摘しました。
具体例として、平成27年に復興公営住宅のコミュニティー形成を期待されて設立された、ある市営住宅の自治会が、町内会の「班」という位置づけだったために十分な支援が入らず、学生ボランティアによるサロンも中止に追い込まれ、結局解散してしまった経緯を紹介しました。市営住宅の自治会が相談しようとしても、市営住宅管理課では「コミュニティーの話は分からない」と言われ、区役所ともふだんつながりがなく、相談先が定まらない現状があると訴えました。また、荒井東市営住宅の町内会でも、家賃上昇による若手流出などから後継者問題が発生していることを紹介しました。
子ども会やPTAについても、上部組織である育成会連合会やPTA協議会に相談するよう案内されるが、その上部組織自体が当事者であり、コミュニティー維持の助言にはなり得ないとして、行政による伴走支援の必要性を訴えました。
町内会・子ども会・PTAは本市にとって存続すべき組織なのかを市民局長・こども若者局長・教育長にそれぞれ認識を確認し、市長にもその重要性を市民に発信するよう求めました。その上で、役員のなり手が65歳が最若手という現状を踏まえ、子供が小学校に上がるタイミングで町内会・子ども会と関わってもらう仕組みづくりが必要だとして、片手間ではないコミュニティー形成の専門部門の設置を藤本副市長に求めました。
最後に、福岡市の「共創による地域コミュニティ活性化条例」(令和4年4月1日施行)や札幌市の「未来へつなぐ町内会ささえあい条例」(令和5年4月1日施行)を例に挙げ、本市でも条例化を検討すべきだと市長に所見を求めました。
市の答弁
地域政策課長
町内会などの自治組織は区役所・総合支所と市民局が担当。町内会の加入率は平成の初めは90%を超えていたが、平成28年度に初めて80%を下回り79.6%、令和6年度には72.5%となっている。町内会には育成奨励金の交付や地区集会所建設等補助のほか、令和4年度からは仙台弁こけしを活用した加入促進チラシの作成や町内会役員向け講座を実施し、今年度からは町内会デジタル化推進事業を行っている。市営住宅における住民組織の相談は日頃から区役所に寄せられており、実情に応じ関係部署と連携して必要な支援や助言を行っている。
こども若者相談支援センター所長
子ども会は仙台市子ども会連合会と地区ごとの四つの育成会連合会が各種研修事業などを通じて単位子ども会の活動を支援しており、センターは各連合会への補助金交付や運営に関する助言、新入学児童保護者向け広報での小学校との調整に取り組んできた。単位子ども会からの相談は加入する育成会連合会に寄せられているが、連合会に加入していない単位子ども会も一定数あり、今後は子ども会から相談があった際にセンターでも必要な対応を取っていく。
市営住宅管理課長
市営住宅では集会所やごみ集積所など町内会活動に必要な施設を整備し、若い世代の入居促進のため子育て世帯などに限定した特定枠募集を年2回実施しているほか、町内会による物置設置や地域コミュニティー活動のための敷地利用の相談には、管理上支障のない範囲で使用を認めるなど対応している。
生涯学習課長
PTAには運営費の補助を行うほか、仙台市PTA協議会と連携し活動の意義の周知や改善事例の共有を支援している。相談窓口は各学校や仙台市PTA協議会のほか、教育委員会生涯学習課でも受け付けている。
市民局長
町内会は長年地域コミュニティーの中核として重要な役割を果たしてきており、その意義や活動内容を幅広い年代の市民に知ってもらうことが大切だと考えている。地域の声を丁寧に聞きながら、今後の町内会支援に取り組んでいく。
こども若者局長
少子化や核家族化の進展、地域とのつながりの希薄化や役員の成り手不足により子ども会の数や加入児童数は減少しているが、子ども会活動は子供の心身の成長や地域コミュニティーの活性化につながる重要な取組であり、今後も存続させるべきものと認識している。
教育長
PTAは子供たちの健やかな成長を願い保護者と教職員が協力する社会教育関係団体であり、家庭・学校・地域を結び個々には解決できない課題をコーディネートする、地域にとって欠かせない団体だと認識している。
市長
町内会をはじめとする地域団体は様々な分野で本市に貢献しており、東日本大震災の際には地域のつながりが復興の大きな力になった。人口減少などで地域の課題が複雑化する中、地域団体との連携は都市の魅力向上と持続可能な発展に不可欠であり、その重要性を機会あるごとに市民に伝えていく。
藤本副市長
コミュニティー支援は市政の根幹をなすものであり、令和元年度に各区にまちづくり推進部を新設し、令和2年度には地域力推進担当へ名称変更して体制を整えてきた。コミュニティー形成の専門部門の設置は一つの方向性とは理解しているが、まずは区役所全体を中心に対応を進め、市全体の動きを見た上で判断していきたい。他都市における地域コミュニティー推進条例の制定は承知しているが、本市は仙台市協働によるまちづくりの推進に関する条例に基づき、町内会など地域団体への支援の継続・拡大に取り組んでおり、まずは本市条例の趣旨を踏まえ、町内会の声を丁寧に聞きながら適切な支援に努めていく。
この記事は、仙台市議会の議事録をもとに要点をまとめたものです。実際の発言全文は議会ウォッチでご確認ください。
一次情報:2025-02-26 令和7年度 予算等審査特別委員会(第3日目)
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