児童扶養手当を外れたひとり親世帯は「把握していない」──受給者6,637人の外側にいる家庭を問う
- •児童扶養手当の対象から外れたひとり親世帯について、市は申し出がない限り把握していないと答えました。賃上げで手当や助成が一度に止まった家庭の例をもとに、全てのひとり親世帯の状況把握と市独自の支援を求めた質疑です。
竹中の質問
ひとり親支援について、まず決算年度(令和4年度)に策定した「つなぐ・つながる仙台子ども生活応援プラン」の基本目標と現状、課題を尋ねました。答弁で示された「子どもたちが生まれ育った環境に左右されることなく、夢や希望を持って健やかに成長できる」という目標を本当に大事なことだとしたうえで、子どもの学びへの影響、貧困の世代間連鎖、世帯の孤立による問題の複雑化、ひとりで生計を支えながら子育てをする負担、不安定な就労などの課題を挙げ、ひとり親世帯の問題は本当に複雑化していると述べました。
続いて決算年度の児童扶養手当の受給者数と決算額を確認し、児童扶養手当の対象外となっているひとり親世帯を市がどの程度把握しているのかを尋ねました。
把握していないとの答弁を受け、手当の資格の対象外の世帯にも深刻な悩みを抱える母子家庭・父子家庭があるのではないかと指摘しました。相談を受けたひとり親家庭の例として、長い時間をかけて収入を上げてきた方が、国の賃上げ政策で手取りが増えた途端、母子・父子家庭医療費助成の支給停止通知が届き、児童扶養手当の所得制限も超えているとみられ、就学援助も打ち切られることになるという事例を紹介しました。物価高騰の中、賃上げに応えて実現した給与アップのせいで、生活に苦しむひとり親がさらに追い込まれることがあってはならないとして、所得制限の緩和か、それに準ずる市独自の支援策を早急に講じるよう求めました。
再質問では、物価が上がる中で就学援助や児童扶養手当が止まることは、収入の少ないひとり親世帯を大きく直撃していると述べ、国に求めるとともに、国が動く前に市が独自の支援策を講じるべきだと求めました。また、市のひとり親支援は児童扶養手当の受給資格、または同等の基準を設けており、手当を受けられるかどうかで支援の線が大きく引かれていると述べ、それを少しでも超えた方は把握すらされていない状況だと指摘しました。そのうえで、全てのひとり親世帯の状況を把握する努力と、一人一人への細やかな対応が必要ではないかと、こども若者局長に尋ねました。
最後に、子どもの居場所や学習支援も児童扶養手当の基準に従っている状況があると思うとして、これを緩和するだけでも大きな変化が生まれるとし、真剣に取り組むよう求めました。
市の答弁
こども支援給付課長
令和3年に実施した「仙台市子どもの生活に関する実態調査」で明らかになった、ひとり親世帯等の収入や生活、教育面での厳しい現状を踏まえ、子どもの生活と教育、経済的支援と自立、つながる体制と支援情報の提供、ひとり親家庭等の負担軽減の四つの課題を挙げたプランを令和4年度に策定したと答えました。基本目標には「仙台に暮らす親子が安心して暮らし、子どもたちが生まれ育った環境に左右されることなく、夢や希望を持って健やかに成長できるまちづくり」を掲げているとしました。
決算年度の児童扶養手当の受給者数は6,637人、支給額は計34億8988万4000円でした。
児童扶養手当の対象外のひとり親世帯については、事実上の婚姻状況にあるかなど世帯の状況を個別に詳しく聞かなければならないため、児童扶養手当の申請で市に申し出がない方については、現時点では把握していないと答えました。
こども家庭部長
一つの制度の基準額を超えたときに、関連する他の制度も対象外となり、結果として経済的負担が増加する状況は、該当した方にとって大きな影響がある場合もあると認識していると答えました。一方で、児童扶養手当制度は国が定めた基準で運用される制度であることから、所得制限の緩和などは国が中心となって対応すべきものと考えているとし、他都市とも課題を共有し、国への要望などを検討するとしました。
こども若者局長
指摘された事例について、改めてそういう家庭があることを認識したと答えました。ひとり親家庭の生活状況は子育てと生計を担う中で大きく変化し、日常生活の中で様々な困難に直面する場合があることを改めて認識したとしました。市独自でやれる部分とやれない部分があるため、制度的なところは他の政令市と課題を共有しながら国に要望するとしたうえで、問題が重なり合っていることも踏まえ、子供家庭総合相談窓口で事情を丁寧に聞き、家庭の実情に寄り添って、就業支援や子育て支援など様々な支援を継続して行いたいと答えました。
この記事は、仙台市議会の議事録をもとに要点をまとめたものです。実際の発言全文は議会ウォッチでご確認ください。
一次情報:2023-09-28 令和4年度 決算等審査特別委員会(第1分科会)
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