児童扶養手当の支給停止は1,003人に──賃上げで手当も就学援助も一度に止まる「ひとり親の年収の壁」
- •賃金が上がったひとり親家庭で、児童扶養手当が止まると就学援助も取り消される仕組みがあります。決算の数字をもとに、激変緩和を市に求めた質疑です。
竹中の質問
ひとり親世帯の支援について、決算年度の数字の確認から入りました。
児童扶養手当の受給資格者数、受給者数、支給停止者数を令和3年度と比べて尋ね、さらに令和元年度からの支給停止者数の推移も確認しました。そのうえで、受給資格者が減る一方で支給停止者が増えていることから、賃金の上昇で所得制限にかかる人が増えているのではないかと述べました。
相談を受けたひとり親家庭の例にも触れました。非正規雇用から長い時間をかけて収入を上げてきた方が、国の賃上げ政策で手取りが増えた途端、母子・父子家庭医療費助成の支給停止通知が届き、児童扶養手当の所得制限も超え、就学援助も打ち切られることになった、という事例です。児童扶養手当は国の裁量ですが、医療費助成と就学援助は市町村の裁量ではないかとして、なぜ同時に止まるのかを尋ねました。
答弁を受けて、就学援助が児童扶養手当と連動して止まる設計は、賃上げと同時に守りが外れる「年収の壁」になっているのではないかと指摘しました。他の認定要件で救われる可能性があるとしても、基準が複雑で、自分が対象になるのかどうかを一見して確認できず、突然の停止通知になってしまうと述べ、賃上げを考慮した所得制限にするよう求めました。
さらに、分科会では児童扶養手当は国の施策のため、他都市と情報共有して国への要望を検討するという答弁があったことを踏まえ、追い込まれている家庭にとって待っていられない状況だとして、対応のスピード感を局長に尋ねました。最後に市長に対し、ひとり親世帯の状況把握と、所得制限の緩和や基準を分かりやすくすることなど、市独自の支援策を早急に講じるよう求めました。
市の答弁
こども支援給付課長
決算年度(令和4年度)の児童扶養手当は、受給資格者数が7,640人、そのうち受給者数が6,637人、支給停止者数が1,003人でした。令和3年度は受給資格者数7,921人、受給者数6,955人、支給停止者数966人で、受給資格者数は281人、受給者数は318人減少し、支給停止者数は37人増加したと答えました。支給額は決算年度が34億8988万円余、令和3年度が36億4424万円余で、1億5436万円余の減少です。
支給停止者数の推移は、令和元年度が864人、令和2年度が987人、令和3年度が966人、令和4年度が1,003人でした。
母子・父子家庭医療費助成は市の事業として実施しているものの、所得制限は宮城県の定める補助金交付要綱の限度額に基づいて設定しており、要件に該当しない場合は対象外になると答えました。
学事課長
就学援助制度の認定基準は各市町村で決めており、本市では児童扶養手当の受給を認定要件の一つとしていると答えました。児童扶養手当が支給停止になった場合は、その認定要件を欠くことから、認定取消しとなっているとしました。
教育長
就学援助の認定要件は、児童扶養手当の受給のほか、経済的理由や国民年金保険料の免除など複数あり、ほかの要件で認定を受けられる場合もあると答えました。そのため認定取消しの通知を出す際には、ほかの要件に該当する場合は改めて申し出るよう案内していると説明しました。
こども若者局長
児童扶養手当の所得制限緩和は国が中心となって対応すべきものと考えており、他都市ともこの課題を共有しながら、国への要望等を検討すると答えました。あわせて、ひとり親家庭には速やかな支援が必要という認識を示し、区役所の子供家庭総合相談窓口や母子父子家庭相談支援センターでの相談を通じて、福祉資金の貸付け、日常生活支援、育児ヘルパーの派遣など世帯の状況に即した支援策を案内していくとしました。
市長
児童扶養手当など所得要件のある制度に他の制度でも同様の所得要件を適用することは、重層的な支援を同時に行える観点から一定の合理性があると考えると答えました。ひとり親家庭の課題については、他都市とも連携して国に対し要望することを検討するとし、個別具体の状況に応じた支援は、区役所等の窓口で丁寧に話を聞き、それぞれの家庭の実情に寄り添って必要な支援を行うと答えました。
この記事は、仙台市議会の議事録をもとに要点をまとめたものです。実際の発言全文は議会ウォッチでご確認ください。
一次情報:2023-10-06 令和4年度 決算等審査特別委員会(第3日目)
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