定禅寺通、片側1車線を減らしても「自動車交通への大きな影響なし」──音楽が流れるパークレットの常設を提案
- •定禅寺通の再整備は、ケヤキ並木を残しながら車線を減らし、人中心の空間に変える計画です。片側1車線を減らした社会実験の結果を確かめたうえで、スピーカーを内蔵したパークレットの常設や、ストリートミュージックの市民団体との連携を提案した質疑です。
竹中の質問
勾当台・定禅寺通エリアビジョンと定禅寺通再整備方針について質問しました。冒頭、この年(2023年)9月に定禅寺ストリートジャズフェスティバルが4年ぶりに制限なしで開催され、55万人の音楽ファンが訪れたこと、1991年には5,000人から始まったと言われていることを紹介し、ケヤキ並木の下のこうした魅力的な空間を日常的につくっていくことが、このエリアの再整備に求められているのではないかと述べました。そのうえで、令和4年度に作成された再整備方針の概要と、決算年度の取組・今後の取組、これまでの車線削減の実証実験の結果と課題を尋ねました。
実証実験の答弁を受け、車線を削減しても渋滞があまり起きなかったことを踏まえて、すばらしい空間を生み出してほしいと求めました。また、自身が訪れた青葉通・仙台駅前の社会実験では、一帯にスピーカーが設置されて心地よい音楽が流れ、中央に置かれたストリートピアノに誰かが座るとスピーカーの音量が下がり、今度はピアノの音がスピーカーから流れる仕組みになっていたことを紹介しました。工夫次第で人を引きつける空間になるとして、再整備の交流ゾーンに、椅子やテーブル、プランターなどを置いて滞在空間をつくる「パークレット」を、スピーカーを内蔵した形で常設・増設してはどうかと提案しました。
次に、再整備方針が目指すエリア像に「市民協働や文化芸術の舞台として、多様な人々が様々な挑戦を行う場となり、市民活動やクリエーティブな活動が日常的に展開されるエリア」と書かれていることを挙げました。2016年から仙台のストリートを音楽で盛り上げようと活動し、勾当台公園で「仙台ストリート大作戦」を開いている団体から、もう少し人通りの多い場所で演奏するほうがアーティストにとっても利点になるという話を聞いたとして、これまでストリートミュージックの活動をしてきた市民団体と連携しやすい環境づくりについて尋ねました。あわせて、音楽以外の芸術を表現できる場所の提供についても考えを尋ねました。
ハード面では、市民会館・県民会館・メディアテークという文化的な公共施設がそろう定禅寺通で、宮城県民会館が移転し、市民会館も将来的には存続しない方向性となっていることから、県民会館の跡地の利活用について市の考えを尋ねました。
最後に、再整備方針ではソフト面について「民が実施し、官が促進する」とされていることに触れました。事業が実行段階に入り、まちづくり政策局から都市整備局や建設局へ移管されると、整備されたけれども使い方が分からない、アーティストを集めてくるのは誰なのか、誰に呼びかけるのかといったことを最後まで追いかけられるかが重要になると指摘しました。プロジェクトを描いたまちづくり政策局が統括部門として、整備後にどう運用され、市民がどう使いやすくなるのかまで追いかけていく必要があるとして、まちづくり政策局長の決意を尋ねました。
市の答弁
政策企画課長
定禅寺通再整備方針は、令和4年3月に地域の皆さんが中心となって策定した「定禅寺通エリアまちづくり基本構想」を受け、公共空間を活用したにぎわいや交流の創出など、官民連携による活性化の促進を目的に、市としての再整備の方向性や考え方を示すものとして令和5年3月に策定したと答えました。歩行者が安全・快適に通行・滞在でき、豊かな時間を過ごすことができる人中心の空間への転換と、利活用しやすい広い空間・設備が整った多様なアクティビティが生まれる環境づくりの二つの方向性の下、市のシンボルであるケヤキ並木を継承しながら、車線削減を伴う道路空間の再構成を行うとしました。スケジュールは、令和5年度に測量調査設計、令和6年度から9年度にかけて工事を行うというものです。
決算年度(令和4年度)は、再整備方針の策定に加え、一般社団法人定禅寺通エリアマネジメントによる活動への支援を通じて、令和4年7月から3か月間、中央緑道への仮設店舗の設置などに取り組んだと答えました。令和5年度には事業の実施段階への移行を踏まえて、関連事業をまちづくり政策局から都市整備局や建設局へ移す組織改正を行い、今後は建設局が歩道の拡幅などの道路空間や中央緑道の再整備を、都市整備局がエリアマネジメント団体への支援などを担い、関係部局が連携して取り組むとしました。
実証実験については、令和3年8月から9月にかけて、市と定禅寺通活性化検討会の共催で、片側1車線削減をベースとした車線規制などの大規模な社会実験を行い、歩道とフラットにつながる土台に机や椅子などを置いて道路空間に人が快適に滞留できるようにするパークレットなども活用したと説明しました。結果は、コロナ禍の影響を考慮しても交通処理能力を超えるような交差点はなく、自動車交通への大きな影響は生じなかった一方、自転車利用者のルール・マナー違反が見られたことから、歩行者や自転車利用者の安全性を高める工夫や、ルール・マナーの啓発などが課題だと認識していると答えました。
スピーカーを内蔵したパークレットの提案については、時間帯や音量によっては騒音への配慮などが必要になるものの、定禅寺ストリートジャズフェスティバルなどの音楽イベントの舞台としても使われている定禅寺通というロケーションには大変魅力的なものと認識しているとしました。定禅寺通ではエリアマネジメント団体が設立され、民間主体によるにぎわい創出の検討や利活用が進むと考えていることから、パークレットへのスピーカー設置についてもエリアマネジメント団体へ伝えていきたいと答えました。
市民団体との連携については、定禅寺通はストリートジャズフェスティバルをはじめ市民団体主催のイベントが多数行われてきた歴史があるエリアであり、そうした取組は今後の活性化にも重要だと考えていると答えました。民間主体のエリアマネジメント団体を核としながら、エリアに関わる多様な主体によるにぎわい創出の取組が行われるよう、市としても後押ししていくとしました。
音楽以外の芸術については、これまでの社会実験でアートやファッションをテーマにした取組が行われてきたことを踏まえ、再整備方針で定禅寺通西エリアの仙台メディアテーク正面の中央緑道をアートのスポットとして位置づけ、アートを中心とした活動を実施・体験できるまとまりのある空間として、イベントや展示会の開催なども行えるよう整備していくと答えました。
県民会館の跡地については、宮城県の所有地のため跡地活用の検討主体は一義的には県になるとしたうえで、定禅寺通のにぎわい創出の鍵となる重要な場所であり、地域や経済界の関心も高いと認識していると答えました。これまでもそうした点を県に伝えてきており、今後も県と情報交換しながら、エリアの価値向上が進むよう連携して取り組むとしました。
まちづくり政策局長
定禅寺通は杜の都を代表するケヤキ並木のシンボルロードであり、30年以上にわたって地域・市民が主体となって市と連携し、公共空間や景観の形成を進めてきた、市民協働のまちづくりの嚆矢ともいうべきエリアで、ジャズフェスやページェントなど多くの市民イベントも行われてきたと述べました。仙台駅周辺に人の流れが偏り、都心部の回遊性の確保が課題となる中、このエリアでは本庁舎の建て替えや勾当台公園の再整備など、公共空間整備に関わる50年に一度の大改修が始まろうとしており、これを契機に活性化事業がスタートしたと説明しました。
まずは地域活動の主役である地域の皆さん、エリアマネジメント団体への適切な支援が重要だと認識していると答えました。本事業は関係局に移管されたものの、今後も区を含む多くの部署が関わるとして、関係局が軌を一にして事業に取り組み、地域の主体的な活動を後押ししていく考えを示しました。
この記事は、仙台市議会の議事録をもとに要点をまとめたものです。実際の発言全文は議会ウォッチでご確認ください。
一次情報:2023-09-27 令和4年度 決算等審査特別委員会(第1分科会)
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