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議会ウォッチ 2023-09-21
2023年9月・3年前の質問

小規模保育の「3歳の壁」、受入れは特別支援ときょうだい児から ──年齢制限の完全撤廃を求めた質疑

#子育て
3行でわかる要点
  • •2歳以下までしか受け入れられない小規模保育所の「3歳の壁」。きょうだいが別々の園に通う問題の解消にもつながるとして年齢制限の完全撤廃を求めた質疑で、市は特別支援保育の利用児童ときょうだい児から受入れを可能とする予定だと答えました。

竹中の質問

仙台市は2年連続で待機児童ゼロを宣言していますが、希望する保育園に入れない隠れ待機児童の問題や、きょうだいが同じ保育園に通えない「きょうだい別園」の問題はいまだに解決していないと指摘しました。その一方で、市内では保育園の定員割れの問題も大きくなってきており、厚生労働省によると保育所の利用児童数のピークは令和7年となる見込みで、2025年頃に保育の需給バランスは逆転することになるようだとして、市の今後の見込みを尋ねました。

定員割れの影響が致命的となる小規模保育事業の存在意義を考える段階になっているのではないかと述べ、2015年から広めてきた小規模保育所を、待機児童ゼロとともに見捨てるようなことがあってはならないと主張しました。せんだい保育室として長年待機児童解消に貢献してきた事業者の中には、家庭的な雰囲気を大切にし、子供たちのニーズに寄り添ってきた園長先生もいると紹介し、待機児童解消に貢献して多様な保育環境を生み出してきた事業者への評価と現状認識を尋ねました。

認可保育所と比べて定員割れを起こしやすいのは小規模保育所のほうだと述べ、「3歳の壁」に触れました。2歳以下までしか受け入れられない小規模保育所の保護者は、3歳を前にもう一度保育園を探さなくてはなりません。家庭的な保育園を希望していても、保育園探しを2度しなくてはならないのであれば、初めから大規模の認可保育園に入れようと諦めてしまうことになるとして、3歳の壁の撤廃が必要だと訴えました。

あわせて、令和5年4月21日にこども家庭庁が出した通知を紹介しました。小規模保育事業は原則として3歳未満児の保育を行う事業で、国家戦略特区では事業者の判断により対象年齢を0歳から5歳の間で柔軟に定められるとしたうえで、子供の保育の選択肢を広げる観点から、全国で満3歳以上の幼児の受入れを市町村がニーズに応じて柔軟に判断できることとした、という内容です。小規模で同学年の集団が少ない代わりに、自然に下の年齢の子供たちの面倒を見るようになる保育の形もあり、きょうだいが少ない時代だからこそそうした経験をさせたい保護者もいるとして、選択肢を広げる必要性を述べました。

きょうだい別園が喫緊の課題であることを挙げ、年齢制限の撤廃は保護者の選択肢を増やし、小規模保育園の事業継続の可能性を広げることになると主張しました。「子育てするなら仙台」を標榜し、せんだい保育室という先進的な事業を行ってきた市として、全国に先駆けた年齢制限の完全撤廃を求めました。

答弁を受けた再質問では、答弁と同じ内容がこの日の2日前(9月19日)に小規模保育に発信されていたことについて、議論を待ってから発信してほしかったと述べました。また、きょうだいの入所についても、令和6年度は3歳児クラスのみ実施し、令和7年度以降は国の動きや令和6年度の受入状況を踏まえて検討するという条件がついているとして、その先が分からないのでは不安でしかたがない状況になると指摘し、「中途半端な制限」だとして再度の答弁を求めました。さらに市長にも、考え直して全国に先駆けた挑戦をする決意を語ってほしいと求めました。

市の答弁

こども若者局長

今後の保育需要については、共働き世帯の伸び以上に就学前児童数の減少が見込まれることから、保護者の就労等により保育を必要とする児童の数は令和5年度当初をピークに減少に転じると見込んでいると答えました。他方で、国が検討している、就労要件を問わず保育施設を利用できる(仮称)こども誰でも通園制度により、一定の保育需要の創出も見込まれるとしました。

小規模保育事業については、3歳未満児の保育の受皿として待機児童解消に貢献し、小集団でのきめ細かな保育という特色を生かして尽力いただいていると述べました。一方で、多くの施設で欠員が発生し、市内の事業者向けアンケートでも今後の需要減少による影響を心配する声が聞かれるなど、経営状況に不安を抱える施設もあると認識しているとしました。このため、各施設の欠員状況に応じた定員変更への対応や、欠員が生じやすい年度当初の運営費に対する助成などを行ってきたと答えました。

年齢制限については、国の通知を受け、保育環境を変えずに継続保育を望んでいる特別支援保育の利用児童と、現在同じ小規模保育事業を利用しているきょうだい児について、来年(2024年)4月までに3歳になる児童から、一定の要件を設けたうえで受入れを可能とする予定だと答えました。一方で、国の通知では3歳児以降は子供の人数の多い集団生活の中で育つことが発達段階として重要ともされているとして、入所児童のほとんどが3歳未満児の中で保育を行うことによる育ちへの影響を今後確認するとしました。国で就学前までの児童の受入れを可能とする制度改正が検討されていることも踏まえ、さらに年齢要件を検討していくと答えました。

再質問に対しては、まず通知について「配慮が足りず、大変申し訳ございませんでした」と述べました。そのうえで、来年度からいきなり全ての年齢制限を撤廃するに至らない理由として、3歳以上児の受入れを可能とすることで現在入所保留児童の多い3歳未満児の受入枠が減少する懸念があること、比較的余裕のある3歳以上児を小規模保育事業でも受け入れることで認可保育所や認定こども園を利用する児童が減少し、その運営への影響も懸念されることを挙げました。現状でよしとするわけではなく、きょうだい別園の問題はこの制度の緩和だけで解消されるものでもないとして、様々な施策を勘案しながら、国の動向も踏まえて引き続き検討すると答えました。

市長

国から自治体に任される部分が出てきたことを重く受け止めながら、市の状況も勘案したうえで、今般、令和6年度までということで一旦通知したものだと述べました。ほかの保育施設の問題や保護者の状況も勘案したうえで今後どのようにしていくのかを決めていかなければならないとし、今の段階ですぐさま全て撤廃することでいいのかについては様々な意見があろうとして、「一旦はお時間をいただければ」と答えました。

この記事は、仙台市議会の議事録をもとに要点をまとめたものです。実際の発言全文は議会ウォッチでご確認ください。

一次情報:2023-09-21 令和5年第3回定例会(第4日目)

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